回転特攻隊  出口のない海

海ゆかば

〔1.2MB〕
海ゆかば 水漬くかばね
  山ゆかば 草むすかばね
    大君の辺(ベ)にこそ死なめ
       かえりみは せじ


           作詞: 大伴家持
              作曲: 信時 潔

「海ゆかば」は、万葉集の中にある大伴家持の詩「海ゆかば水漬く屍……」に、昭和12年当時東京音楽学校教授の信時潔が曲をつけ大ヒットとなった国民歌謡。

大東亜戦争中によく歌われ、戦後は神風特別攻撃隊のフィルムなどで背景に流れる曲でもある。

これは当時の日本政府によって国民精神強調週間が制定された際、そのテーマ曲としてNHKが信時に嘱託して完成されたもので、出征兵士を送る歌として愛好された(やがて若い学徒までが出征するに及び、信時は苦しむこととなる)。
本来は国民の戦闘意欲を昂揚せしむるべく制定された曲であるが、この曲を大いに印象づけたのは、「玉砕のテーマ」として、則ち太平洋戦争末期にラジオ放送の戦果発表(大本営発表)の際に、その内容が玉砕である場合、番組導入部のテーマ音楽として用いられたことである(勝ち戦を報道する場合は行進曲『軍艦』が用いられた)。

賛美歌で育ちドイツ古典音楽を学び深く愛した信時らしい、全体的にゆるやかなテンポの荘重かつ荘厳な曲にして、能く鎮魂の大任を果たすことができたといえよう。この曲は敗戦までの間盛んに愛唱され「第二の国歌」とまで呼ばれたが、戦後は進駐軍によって事実上の封印状態が続いた。参考:フリー百科事典『ウィキペディア』
ですから事実上「海ゆかば」はあくまでも「戦意昂揚」のための歌でした。
読み方は、現在の表記で記せば
  うみ ゆかば みづく かばね
  やま ゆかば くさむす かばね
  おおきみの べにこそ しなめ
  かえりみはせじ

となる。また意味は、
  海をゆくなら
  水に漬かる屍ともならう
  山をゆくなら
  草の生える屍ともならう
  天皇のおそばに
  この命を投げ出して
  悔ひはないのだ
  けつして
  ふりかへることはないだらう
といふ内容である。
前後しますが、昭和17年12月15日、大政翼賛会は「海ゆかば」を国歌「君が代」に次ぐ「国民の歌」に指定して、各種会合では必ず歌うようにと通達しました。
(註・私のこのホームページでは、あの戦争は無駄な戦争だったとか、君が代は国歌ではないというヘンな人は対象にしていません)